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学習性無力感

学習性無力感

成功したときは「能力」や「努力」に原因を求め、失敗したときは「努力不足」を原因にするのが最も望ましい帰属意識と言えます。

 

しかし、どのように帰属するかは、機械のように決まっていくのではなく、生身の人間の意識の問題です。
だから、たとえ同じ人であっても、状況によって変わります。

 

実際に、成功または失敗が続くことによって、帰属意識が少しずつ変化していきます。
成功が続けば、コントロール定位は能力の方にシフトしていきます。
周りからの評価も受けるので、成功後は一定の自信をもって当たり前です。

 

また、失敗が続いた場合でも、コントロール定位は能力の方へシフトします。
「平均点は変わらないのに、自分の点数が落ちた」
「みんなと一緒に勉強したのに、自分だけ順位が落ちた」
このような場合、原因を能力不足に帰属するのも無理はありません。

 

これに関して、セリグマンという心理学者の実験で明らかにされたことがあります。
彼は、電流が流れる柵の中に犬を入れ、最初は普通に脱出行動を成功させました。
一定回数これを行った後、今度は犬が柵に触れた瞬間に、電流を流したのです。
犬は脱出を試みるため、始めの数回は挑戦しますが、その度に電流に触れて失敗してしまいます。
やがて犬は、一切の脱出行動を起こさなくなってしまいました。

 

この実験は端的に、「頑張っても意味がない」ということを学習してしまったら、行動しなくなることを示しています。

 

能力不足という認識→努力しない→失敗する

 

この悪循環を、学習性無力感といいます。
学習性無力感は、教育現場で頻繁に起こっています。

 

一度学習性無力感に陥ってしまったら、その解決方法は1つです。

 

実際の成功を積み重ねるしかありません。
その成功はどんなに小さくても構いません。
例えば、10問ほどの単語テストで6点以上を合格としても、十分効果があります。
失敗後は成功水準が引き下げられているため、その子のレベルに合った課題を与えます。
小さな合格であっても、本人にとっては嬉しいものなので、次第に成功水準が引き上げられていきます。
だから5回ほど合格を出させたら、7点以上を合格にするというように、段階的に引き上げていくことが大切です。

 

 

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