用言と体言
言葉は文章に応じて形が変化するものとそのままの形のものがあります。
例えば、「歩く」という語。
「歩こう」「歩いて」「歩く」「歩くとき」「歩けば」「歩け」という語は、すべて「歩く」が変化したものなので、同じ言葉です。
このように形が変化することを活用といいます。
一方、形が変化しない語も存在します。
「ゆっくり」という語は、「ゆっくら」などとは言わず、どんなときも「ゆっくり」原形のまま使います。
活用する自立語のことを用言、活用しない自立語を体言と言います。
用言は、動詞・形容詞・形容動詞
体言は、名詞・代名詞・副詞・連体詞
動詞の活用の種類
動詞には、活用の種類がいくつかあります。
五段活用、上一段活用、下一段活用、カ行変格活用、サ行変格活用
これらは、動詞の語尾に「ない」を付けて識別します。
先ほど例に挙げた「歩く」は「ない」を付けると「歩かない」となります。
次に「ない」の上の文字に注目します。→「か」
これをローマ字で書くと「KA」となり、母音が「ア」の音であることが分かります。
このようにしたとき、母音が「ア」になるものは、五段活用です。また子音が「K」なので、カ行五段活用となります。
他にも見てみましょう。
「見る」→「見ない」
「ない」の上の文字は「MI」となるので、母音は「I」です。
母音「I」は上一段活用となります。
「食べる」→「食べない」
「ない」の上の文字は「BE」なので、母音は「E」です。
母音「E」は下一段活用となります。
基本的にほとんどの動詞は、上記の「五段活用」・「上一段活用」・「下一段活用」に分類されます。
例外は「来る」と「する」という2つの動詞です。
これらは、カ行変格活用とサ行変格活用の唯一の動詞になります。
活用形
活用の種類が分かったら、次は活用形です。
活用形は6つあり、未然形・連用形・終止形・連体形。仮定形・命令形があります。
これらが活用の種類ごとにあるので、一覧表を暗記した方がよいです。
五段活用
未然 a
連用 i
終止 u
連体 u
仮定 e
命令 e
上一段活用
未然 i
連用 i
終止 iる
連体 iる
仮定 iれ
命令 iろ
下一段活用
未然 e
連用 e
終止 eる
連体 eる
仮定 eれ
命令 eろ
カ行変格活用
未然 こ
連用 き
終止 くる
連体 くる
仮定 くれ
命令 こい
サ行変格活用
未然 し
連用 し
終止 する
連体 する
仮定 すれ
命令 しろ
形容詞の活用
動詞だけでなく形容詞も活用します。
例えば、「かわいい」という語。「かわいくない」という言葉を使うことから、形容詞にも活用があることが分かります。
形容詞は活用の種類が一種類しかないので、活用表を1つ覚えれば終わりです。さあ、頑張って覚えましょう!
未然 かろ
連用 かっ く う
終止 い
連体 い
仮定 けれ
命令 ○
※○はナシという意味です
未然形だと「かわいかろう」、連用形だと「かわいかったので」のように使います。
形容動詞
形容動詞も活用します。
「キレイだ」という語は、文脈に応じて「キレイで」と変化できますよね。
活用表は次のようになります。
未然形 だろ
連用形 だっ で に
終止形 だ
連体形 な
仮定形 なら
命令形 ○