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帰属理論

4つの帰属意識

客観的に見れば同じ状況でも、人によって受け止め方は違います。
原因の受け止め方が違えば、次の行動も変わってきます。

 

結果の受け止め方を帰属意識といい、大きく2種類に分けられます。

 

自分の中に原因を見つける人と、他人のせいにする人です。

 

自分の中に原因を見つける人は、自分の行動は自分でコントロールしているという意識が根底にあります。
これを内的統制といいます。
内的統制はさらに2つに分けられ、安定的な要因か不安定な要因に原因を見出すかで区別されます。
「能力があるからうまくいった」が安定的です。能力は生まれ持ったものなので簡単には変わらないからです。
一方、「たくさん努力したからうまくいった」が不安定な要因です。努力の量は毎回変化するからです。

 

反対に、他人のせいにする人は、自分の行動は他人にコントロールされている意識が根底にあります。
これを外的統制といいます。
外的統制も安定的と不安定な要因に分けられます。
「問題が簡単だったからうまくいった」は安定的です。問題の難易度はそうそう変化しないからです。
「今回は運が良かっただけ」は不安定です。運は変化するからです。

 

この内的統制と外的統制の安定、不安定で区切った4つの帰属意識をコントロール定位といいます。

 

 

 

コントロール定位

コントロール定位とは、結果をどう受け止めるかを図式化したものです。
まずは自分やお子様のコントロール定位がどこにあるかを知ることが大切です。

 

例えば、「テストで前回より良い点数を取った」という結果が出たとします。
この結果を受けて、次の4種類の帰属が考えられます。

 

帰属@「前回より点数が高いのは、自分の能力が高いからだ」

 

帰属A「前回より点数が高いのは、たくさん努力したからだ」

 

帰属B「前回より点数が高いのは、問題が易しかったからだ」

 

帰属C「前回より点数が高いのは、運が良かったからだ」

 

 

反対に、「テストで悪い点を取った」という結果に対しても4種類考えられます。

 

帰属D「前回より点数が低いのは、自分の能力が低いからだ」

 

帰属E「前回より点数が低いのは、努力が足りなかったからだ」

 

帰属F「前回より点数が低いのは、問題が難しかったからだ」

 

帰属G「前回より点数が低いのは、運が悪かったからだ」

 

 

それではまず、成功した場合の帰属意識について考えていきます。

 

@〜Cの中で、「能力」か「努力」を成功の原因とすることが望ましいです。
特に「能力」は簡単には変化しないので、自尊心が高めることができます。
適切な自尊心は自信と言い換えることができますので、勉強を好きになるための大切な要素と言えます。
「努力」に原因を求めた場合は、「次も頑張ろう」というモチベーションが高まります。
いずれにしても、次回へのやる気を引き起こすことができるのです。

 

「課題困難度」や「運」を成功の原因とすることは良くありません。
このような場合、成功が自分の能力や努力の結果ではないため、なんの反省も生まれません。
次回のテストに向けた内面の変化は何も起こらないのです。

 

次に、失敗してしまった場合の帰属意識について説明します。

 

D〜Gの中で、一番良くないのは「能力」に原因を見出すことです。
能力は変わらないのであれば、「自分はどんなに頑張っても意味がない」と思ってしまいます。
これでは、次のテストで頑張ろうという気にはなれず、自尊心も傷つきます。
能力ではなく、失敗の原因を「努力不足」とすれば、まだ次回への可能性があります。
自分の頑張り次第で、次回の結果を良くすることができからです。
このように前向きに結果を受け止めることができます。

 

失敗を「課題困難度」や「運」のせいにしたら、前向きは反省は見込めません。
しかし、失敗後にこのような帰属意識を持つことには、1つだけメリットがあります。
それが、自尊心を傷つけないということです。
自信なくして、継続学習はあり得ません。
しかも「問題を作った人が悪い」という意識を「take it easy」の精神に変えるのは割と簡単です。
自分の能力を悲観してしまうことは、それだけ良くないという事なのです。

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