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3分野科目
総合教育科目の3分野科目では、テキストで24単位以上取らなければならないことはお話ししました。
何の科目を履修するか決めるときに忘れてはならないことがあります。それは、「レポートの評価の厳しさ」、「科目試験の難易度」、「科目間の繋がり」です。
このページでは、私が履修した科目について、上の3つの観点から、優先度別に紹介します。
優先度C:対策不可能な科目
ここで挙げる科目は、レポート・科目試験ともに難しく、労力に対して単位が割に合わない科目です。特別な理由がない限り、避けて他の科目を履修したほうが懸命です。
[歴史(西洋史)][歴史(日本史)][数学]
2つの歴史科目は、科目試験が予想できず、学習する範囲も広すぎるので、、まさに難攻不落の科目だと感じました。加えて[歴史(日本史)]のレポートは全2回仕立てで、評価そのものが厳しいです。厳しいとはどういうことかというと、形式はもちろんのこと、専門レベルの知識が要求されます。それでいて2単位しかもらえないので、文学部2類の方だけ履修すればいいかなと思ってしまいます。2類の方はこのレベルに受かっておかないと卒論は書けないことは間違いありませんが、結局のところ科目試験の方が運頼りになりますので、卒業のほうが先になってしまう可能性大です。
[数学]は「基礎」と「線形」があり、どちらもレポート課題の問題が難しいです。高校生までの知識では太刀打ちできないので、大学レベルの数学を学びたい方以外は履修してはいけません。いちいち定理や解法を学びながら勉強することになり、時間と労力ばかりかかります。同じ時間を使うなら、他の科目に活かせる科目を履修しましょう。
優先度B:対策可能な科目
ここで挙げる科目は私が実際に履修して良かったと思う科目です。試験勉強の仕方やレポートの書き方について学ぶことができます。
[論理学][文学][政治学][法学(憲法を含む)][生物学]
[論理学]
[論理学]とは正しい推論の方法を研究する学問です。哲学との繋がりが強いので、苦手意識を持っている方が多いと思います。
レポート課題は、記号や表を書いての証明が中心になりますので、分量は求められます。
論理学のメリットとして、科目試験がかなり易しいということがあります。レポートでしっかり基礎を学習すれば科目試験の対策も終わりです。試験の前にレポートを読み直す程度で十分なのです。
またその知識は専門科目の「論理学」にも活かせます。
たとえばこのような問題が出題されます(著作権の関係上、実際の問題とは若干違います)。
「¬AかつBは¬(Aまたは¬B)と言い換えることができるかを真理表を用いて説明しなさい。」
真理表という簡単な表を書いておしまい、これで4単位ゲットです(ちなみに専門の論理学の科目試験もほぼこのレベルです)。
[文学]
文学の歴史やジャンルを幅広く学習します。中国文学、日本文学、フランス文学、ドイツ文学、英米文学から一つを選択して、文学作品を読んで課題に答えます。[文学]をお勧めする理由として、参考文献で失敗することがなく、科目試験の対策がしやすいことが挙げられます。
レポートは、「読書→テーマについて論じる」という形式で進めてください。気を付けることはただの感想文にしてはいけないということです。
一本の軸(テーマ)を明確にして、その軸から文学作品について考察していくのです。歴史(特に政治史、文学史)を知っていると広く深い考察が可能になります。逆に言えば、文学作品と歴史の関連性に注目することがキーポイントなのです。
またレポート内容を専門科目で生かすことができます。たとえばフランス文学を選択すると、[文学]のレポート内容の一部を[19世紀のフランス文学T][19世紀のフランス文学U][20世紀のフランス文学][フランス文学概説]などにもう一度使うことができます。実際に私は[文学]と[19世紀のフランス文学T]のレポートは、文献もテーマも同じものに揃えたため、前のものを少しだけバージョンアップさせるくらいの形で通りました。
科目試験は数パターンの問題が繰り返し出題されますので、十分対策ができます。
試験勉強はノートに模範解答を書いてそれを覚えるというやり方で進めましょう。しかし「ひたすら暗記」とは少し趣向が違います。覚えるべき内容が長い場合、言葉の意味を理解して関連することも勉強するほうが良いです。ノートに模範解答を作る時も、テキストだけで作るのではなく、同時に他文献にあたって理解を深めていくことがかえって合格への近道になります。
例えば、「喜劇と悲劇の違いについて論じよ」という試験問題が出たとします。一見シンプルなこの問題も、単純に違いだけ3行程度で書いても受かりません。その前段階として、@それぞれの形式、A代表的作品、B文学史上の意義をまとめた上で、答えを述べます。だからテキストや文献で過去問に関するページを何度も読み込み、徹底的に内容を頭に叩き込む必要があります。
[政治学][法学(憲法を含む)]
レポート課題、科目試験ともに受かりやすい科目です。
レポートのコツは、章立てや節立てをしっかりやって、基礎的な用語を説明してから論を進めるという方法を取るとよいでしょう。
[生物学]
実験スクーリングで生物学を履修した方は必修になります(他の科目の実験スクーリングを受けた方はその科目をテキスト履修しなければなりません)。
レポートが全3回で、長丁場になる科目です。評価は厳しめなので、日吉キャンパスにある文献にあたって理解を深めてから書かないといけません。特に第一回の評価がとても厳しく、第三回の返却には時間がかかった(10か月程度)ことが印象的でした。とはいえ避けては通れない必修科目ですので、とっつきやすそうな回から計画的に着手すると良いです。
優先度A:履修しないともったいない科目
ここで挙げる科目はレポート課題・科目試験ともに易しめで、3分野科目で4単位科目。まさに非の打ちどころのない科目です。優先的に受けてください。
[経済学][地学]
[経済学]
配布されるテキストの内容はやたらと難しいので、これは一切読まなくても大丈夫です(笑)。レポートや科目試験は市販の参考書で勉強してください。私は公務員試験用の参考書で十分間に合いました。
まずレポートについて簡単に説明します。2題から1題を選択して、指定されたテーマについて「説明」するという形式で進めます。必要な項目ごとに説を作り、不足なく記述しましょう。グラフや具体例などを挙げて説明していけば大丈夫です。
科目試験は、レポート課題に関連した内容が、繰り返し出題されます。専用のノートを作り、項目ごとに2・3行でまとめましょう。それを丸暗記するという勉強法が効率的です。
[地学]
[地学]をお勧めする理由として、貴重な自然科学分野の科目であることが挙げられます。理数系の科目が並ぶ中、文系でも分かる「地学」の存在は大きいです。
レポートは全4回仕立てなので、少々長く感じますが、科目試験持ち込み可であることを考えると、4単位科目としては破格のコストパフォーマンスです。
レポートは全4回の1つずつを1000文字程度を目安に、節ごとの説明形式で進めましょう。[地学]に限らず自然科学分野の科目は、自分で仮説を立て、結論を出すという形を取る必要がありません。事実に反せず、文献通りの内容を書けば大丈夫です。
科目試験は、テキスト持ち込み可なので、試験の時に目次を引いて、丸写し。これで受かります。