相互リンク
セントラルドグマ
すべての生物の遺伝の仕組みの根っこの部分は共通しています。
それセントラルドグマ。
「遺伝に関する中心となる教義」という意味です。
生物を形成するものはタンパク質、すべての生物はタンパク質の塊なわけです。つまり遺伝の仕組みを考えるときに、どうやってタンパク質を作るかが疑問点になります。
タンパク質を作る基本的な流れを抑えましょう。
上の図のように「DNAに書かれた遺伝情報をRNAに写し、それに基づいてタンパク質を作る」という流れをセントラルドグマと呼びます。
ちなみに、DNA→RNAを転写、RNA→タンパク質を翻訳と言います。
遺伝子=DNA
DNAは細胞の核の中に存在するひも状の物質であり、遺伝子そのものです。アデニン(A)・グアニン(G)・シトシン(C)・チミン(T)が結びつき、二重らせん構造をしています。これらの結びつきは人によって異なり、私たちの姿、形、性格を形成します。つまり私たちがどういう人間になるかは生まれる前にDNAによって決められているわけです。恐るべしDNA・・・。
あ、ちなみにこのことは「遺伝がすべてだからいくら努力しても無駄」とか言うわけではありませんよ。DNAの配列=遺伝子そのものは決して変わりませんが、環境によって遺伝子の発現が変わります。その結果違うパーソナリティが形成されることは双子を使った実験で明らかになっています。
RNAへの転写
RNAにはいろいろな種類がありますが、ここではmRNA(メッセンジャーアールエヌエー)をご紹介します。
先ほど遺伝子の発現という言葉を使いましたが、これは遺伝情報にしたがってタンパク質を作るということです。
いま必要なタンパク質をつくるためにDNAは必要な分だけ、遺伝情報はmRNAにコピーします。これを生物学では転写と呼びます。
タンパク質の翻訳
DNAから転写されたmRNAは当然A・G・C・Tの結びつきを持っています。この結びつきが必要なタンパク質を作る暗号(コドン)になります。タンパク質の材料であるアミノ酸が、mRNA上の対応する場所に運ばれるわけです。ちなみにアミノ酸は自分自身では動けないので、tRNA(トランスファーアールエヌエー)という乗り物に乗って運ばれるという仕組みまで知っておけば十分でしょう。