相互リンク
モチベーションの変化
自己紹介のページで、私の大学時代は3つに分けられると話しました。
@何をやったらよいか分からず、ほとんど何もやらなかった最初の2年間
A無意識のうちに積もり積もった不安が一気に爆発した次の2年間
B卒業が現実的になり一心不乱に進んだ最後の2年間
何を基準に6年間を区切ったかといいますと、モチベーションの変化です。
このページでは、私がどのようにしてモチベーションを上げたかについてと、モチベーションの変化がもたらすセルフイノベーションについてお話してまいります。
卒業式より印象深い入学式
今でこそこのようなサイトを立ち上げている私ですが、実は慶應通信卒業を「不可能への挑戦」と感じていた時期がとても長かったのです。
なんと私は早くも入学式で面食らっていたのでした!
「あなた方は勉強を頑張ってこの場にいるのではない。なので私はあえて入学おめでとうは言わない。入学おめでとうの代わりに卒業おめでとうと言ってあげたい。」「通信の卒業率は5%ほどしかないが、もしも卒業できたなら、そのときあなた方は今とは全然違う人間になっている」という趣旨の祝辞と、「卒業論文は2年みなければ終わらない。4年で卒業することは現実的にかなり難しい。」などのシステム説明も下さりました。私にとって、この入学式は卒業のハードルの高さを感じるには十分のものでした。帰り道に慶友会の方に「通信は孤独だから一緒に頑張りましょう!」と勧誘されたのも、まるで入学式の続きを見ているようでした。こうして不安だけを胸に私の大学生は始まったのでした。
卒業への道が険しいというイメージは、最初に書いた3科目のレポートと7月試験でガラリと変わりました。私が最初に書いた科目は「英語T」・「英語U」・「保健衛生」だったのですが、「英語T・U」はレポート・試験合格、「保健衛生」は試験だけ合格しました。ちなみに「英語T」か「英語U」の単位が取れていないと、卒業に必須のスクーリング科目、「リーディング」「ライティング」の履修申込みができません。これからレポートを始めるという方は「英語T」「英語U」から始めるとよいでしょう。
とにかく最初の試験で4単位、夏期スクーリングで8単位なんなくとれてしまうと、「もしかして卒業って楽勝?」と思ってきました。
ですが気を付けてください。多くの人にとってこれが落とし穴になります。「英語T・U」は中学〜高校初級レベルの実力さえあれば受かりまし、語学科目ゆえにレポート課題も特殊であるため、すぐに他のレポートの壁にぶつかってしまうのです。私もまんまと落とし穴にはまり、1年目の取得単位は20単位にも満たず、このペースだと4年卒業は無理だということは、はっきりしました。
セルフイノベーション
よく覚えている出来事があります。2年目の科目試験でした。1科目だけの試験に遅刻して、問題を読んだ瞬間分からなかったため、一番に教室を出たのでした。入室時間わずかに15分程度。これはさすがに反省しました。3か月に一度の単位取得のチャンスをつぶし続けている自分自身に呆れ、ハイレベルな科目試験という壁をいつまでも越えられないでいることに気が付きました。このころの私は、試験のたびに「次の科目試験こそ受験票いっぱいに受験科目を載せよう」と決意するものの、テストから解放されるとすぐに忘れ、期限に迫られて1個だけ提出していました。この科目試験の出来事をきっかけに、完全にセルフイノベーションの必要性を感じたのでした。
・めんどくさいという気持ちは捨てる
自分の内面を探ると、「できればあんまり頑張りたくない」、「できるだけ少ない努力で卒業したい」という正直な気持ちがありました。入学当初の危機感は、ただの堕落に変わっていたのです。足も頭も使わず、横着ばかりして、嫌々レポートを書いていました。だから何度書いても落ちるのです。「なるほど!」と問題点に気づいたのでした。
こうして卒業への基本精神として、「めんどくさいという気持ちは捨てる」が設定されました。
・転機となった科目
3年目の科目試験で3科目受けたことがありました。結果は全部合格。持ち込み可や時間オーバーが手伝ってくれたというのもありますが、1日で6単位分の科目試験をクリアした事が、折れかけていたマインドを立て直してくれました。
3科目で6単位という結果だけで言えば初回の試験と同じですが、この時の私の気持ちはあの時とは全然違っていました。この合格は卒業へのメッセージだと感じました。私の場合は、このタイミングで3科目すべて受かったことが転機のきっかけとなりましたが、やる気を入れるチャンスは誰にでもあると思います。チャンスをチャンスと感じることが大切なのです。
・チャンスを増やす
夏期スクーリングが単位の収入源になっているのはまずい状況です。1年に一回しかありませんし、上限が決まっているからです。スクーリングと同じ12単位でも、理論上は一回の試験で取ることが可能です。それを考えたとき、とにかく単位を取るチャンスを増さなければならないと思いました。1科目しか受けなかったら、その試験問題が分からなければ終わりですが、科目試験をたくさん受ければ、上述のように単位をとれる確率も上がります。そして、そのうちの半分受かるだけでも単位的には大きな収穫であり、何よりたくさんレポートを出して科目試験を受けるという感触を掴むことができます。しかも一度できれば、今後何度でもできるはずです。そのために戦略的に試験科目を決め、計画通りにレポートを仕上げていこうと思いました。
@5科目以上10単位以上
一回の試験の目標を10単位取得にしました。2単位科目を5科目取れば達成できるので、まずは科目試験の日程で科目が重ならないようにレポート課題を決めました。科目には群というものがあって、同じ群に属している科目であると、一回の試験で一つしか受けられません。群とレポート課題をチェックして、候補となる科目を絞った後で、科目試験の過去問を見て、受かりそうな科目を最終的に選びました。レポートと科目試験の総合の難易度で科目を選んでいくというイメージです。
これは経験から言えることですが、レポート課題が少々難しくても、科目試験が簡単そうな科目を選んだほうが良いです。なぜならレポートは正しい書き方と必要な文献さえ手に入れば、熟読、熟考&十分に時間をかければ、絶対受かるからです。反対に科目試験が難しいと困ります。科目試験は1発勝負なので、分からない問題が出たらどうしようもありません。なので試験が簡単そうな科目を選ぶとよいです。その最たるものが「テキスト持ち込み可」の科目です。正しく書き写せば、まず落ちることはないので、全部受けることをお勧めします。
Aレポートとは対話である
レポートの質と速さを上げるため、レポートの書き方を一から勉強し直しました。3・4年目は、レポートや論文の書き方を真剣に学び、基本に忠実なレポートを意識した時期です。レポートの構成はもちろん、レポート課題で教授が求めていることを徹底的に考えるようにしました。
私なりのレポートの解釈は「レポートとは対話である」ということです。レポートの書き方については別ページにて詳しく説明しますので、ここでは雰囲気だけ。
課題を変えてしまいましょう!レポート課題集の課題は、あくまで学習する範囲や単元などの外枠です。教授もすべて網羅する事を求めていません。大切なことは、課題を絞って、テーマを明確にすることです。レポートとは、自分が論じていくテーマについて、自分なりのアプローチをアピールする場だと捉えてください。
しかしながら、レポートの中で客観性を失ってはいけません。そのとき意識するとよいのは対話形式です。私がよく使った手として、「自分が発した問いに対して、研究者たちはこう考えると思われる。しかしこうは考えられないだろうか・・・」と議論を深めていくという方法があります。
このような時期があったからこそ、4回目の提出となった宿命の「保健衛生」をはじめ、不合格レポートがどんどん合格していったのです。ちなみにその後の私はレポートで落とされたことはありません。
入学してからずっと高いモチベーションのまま突っ走るという人はあまりいません。必ず挫折があります。そしてその挫折を乗り越えるきっかけは、誰かがくれるというものではありません。チャンスの芽というものは、自分から注意して見ないと、見逃してしまうくらい小さいものなのです。
このサイトとの出会いだってそうです。いま文章を読んでいる方は、この出会いをチャンスと考えることはできますか。もしできれば、あなたは卒業できる人です。「迷うくらいなら、盲信して猛進しろ!」あなたに贈るメッセージです。