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ことわざの成り立ち
皆さんは、ことわざについて詳しく考えたことがありますか?
多くの人は、ことわざの意味を知っておしまいではないでしょうか。
しかし、それでは少しもったいないです(^^)/
ことわざは時代背景と一緒に捉えることで、意味以上の深みや広がりをもつのです。
このページで一緒にことわざワールドに冒険してみませんか?
「筆は一本、箸は二本」
これは作家についてのことわざです。
一本立ちできない筆と二本で立っている筆を想像してみてください。筆=職、箸=食と考えると、このことわざは作家の収入と家計を比べていることが分かります。
不安定な要素が強い職はまさに一本足。ぐらぐらです。それに比べて食は、今月も来月も不変に付きまといます。そういう意味で箸は二本足で自立しているわけです。
そうです。このことわざは作家の生活苦を表しているのです。
でもただ生活が厳しい!というより、筆と箸が立っているところからメタファー(比喩)された方が味わいがありますね!
また、裕福ではなかったかもしれないけれど、夢と現実の板挟みになって必死に頑張っている、自立しようとする作家像を感じることができますね(^^)/
「憎まれっ子、世にはばかる」
これは、嫌われ者に限って長生きするという意味のことわざです。
ところで、「はばかる」ってなんでしょうか?辞書で引いてみると「対象を敬遠する気持ちがあって、距離を置く」とあります(『日本国語大辞典』より)。そうですよね、確かにはばかるって遠慮するって意味ですよね・・・。つまりこの解釈でいくと、憎まれっ子は世間に遠慮してひっそりとしている!ことになるのです。
えっ!全然意味が違うじゃん!昔の憎まれっ子はそんな感じだったの?
そんなことはありません。このことわざは今も昔も、嫌われ者に限って長生きするという意味で使われてきました。
ではなぜ憎まれっ子が「はばかる」のか?そこのところを考えていきたいと思います。
実はもともと「憎まれっ子、世にはだかる」だったという説があります。「はだかる」は「いばる、大きな態度をとる」という意味です。憎まれっ子がはだかる、うん、なんの疑問もないですね!ではなぜ、ことわざが変わってしまったか?
それは、耳で聞こえたとおりに発音していくうちに、間違った方が広まっていったのです。これを言葉の動揺というのですが、確かに日本人ってなんとなく言葉を使い、いちいち調べたりしないですよね。それは昔から変わってないようです(^^)/