()の外し方
計算の知識はすべての問題で使うので、正確にできるようにしておかなくてはなりません。
計算順序をしっかり覚える事が大切です。
文字や√などの数を扱うときも四則演算の知識が頭に入っていれば、スムーズに解くことができるからです。
そこで今回は計算順序について説明していきます。
原則は、
指数→()の中→かけ算・割り算→足し算・引き算
計算問題で皆がミスする場所は決まっています。
符号ミス、中でも()を外すときに集中します。
ですから、常に正しい方法で処理しているかに気を付けなければなりません。
()の中身をできるだけ計算してから、分配法則
()の中身を計算するときも、四則演算のルールを守ります。
かけ算・割り算があれば、足し算・引き算より先に計算します。
こうして、もうこれ以上簡単にならないという形になったら、いよいよ()を外します。
そこで分配法則について詳しく説明します。
A×(B+C)=A×B+A×C
()の前にある数を、()内の両方にかけることで、()を外すことができます。
気をつけることは、
-A×(B+C)の様に、()の前の数字が負の数のときです。
この場合も考え方は同じなので、()内の数字両方に-Aをかけます。
よって、
-A×(B+C)=-A×B-A×C
となります。
よくあるミスは、後ろのCにもマイナスがかかることを忘れてしまう事です。
()の前に+や-の符号だけ書かれていることもあります。
+や-の後に省略されている数字は[1]です。
ですから、
+(B+C)=+1(B+C)=+1×B+1×C=B+C
-(B+C)=-1(B+C)=-1×B-1×B=-B-C
実際のところ、いちいち分配法則を考えるほどでもないので、
()の前が+のときは、そのまま()を外す
()の前が-のときは、カッコ内の符号を逆にして外す
と覚えておきましょう。
()の前が+のときは問題ないのですが、-のときは、後ろの数字に-をかけるのを忘れてしまう符号ミスがよく見られるので、要注意です。
方程式とただの計算の違い
計算問題は、大きく分けて2種類あります。
方程式を解き、解(Xの値)を求める
式を簡単にする
1次方程式・連立方程式・2次方程式のゴールは、解を求めることです。
そのためX=2のような、答えの形になります。
計算問題では、四則演算によって、これ以上計算できない形にします。
X-2のような形が答えです。
これらをどう区別するかは、とても簡単です。
[=]があれば方程式、なければ計算問題です。
方程式には特別なルールがあって、それはただの計算問題では使ってはいけません。
しかし、これらを混同すると間違えてしまうので、ここでしっかり理解しておいてください。
方程式
A=Bのように、[=]で結ばれた式が方程式です。
[=]の左側を左辺、右側を右辺、これらを合わせて両辺と呼びます。
方程式のルール
@両辺に同じ数を足してよい(移項)
A両辺から同じ数を引いてよい(移項)
B両辺に同じ数をかけてよい
C両辺から同じ数を割ってよい
要するに、両辺に対して、平等なことをすれば、大きさ関係は変わらないから、=が成り立つということです。
@とAに関して、[移項]というやり方を説明します。
文字数字の符号を変えて、=の反対側へもっていく
A+2=B
という式があります。
現在左辺にある[+2]という数字を、右辺に移項すると、
A=B-2
となります。
このように、のが移項です。
次にB、Cについて説明します。
2×A =B
Aにかけられている2を消すためには、2で割る必要があります。
そこで、
2×A÷2=B÷2
A=B/2
となります。
結果的に言えば、文字の前にある数字で両辺から割ります。
1/2A=2/5
このような分数の方程式であった場合、まずは整数だけの式に直します。
分母2と5の最小公倍数(10)をかけると、分母が約分されて整数になります。
10×1/2A=10×2/5
5A=4
5とAはかけ算で繋がってますので、5をなくしたいのであれば割らなければなりません。
よって、
A=4/5
となります。
よくある間違いは、
移項の考え方を使って、
A=4-5
A=-1
としてしまうことです。
両辺を同じ数で割ることと、移項は違いますので、注意してください。